TOP TREND EYE 優秀な人材を確保する助成金!正社員化を目指す「キャリアアップ助成金」

優秀な人材を確保する助成金!正社員化を目指す「キャリアアップ助成金」

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優秀な人材を確保する助成金-アフルエント

「キャリアアップ助成金」とは、厚生労働省から発表された公的な助成金制度だ。正社員化コース、賃金規定等改定コース、健康診断制度コース、賃金規定等共通化コース、諸手制度共通化コース、選択的適用拡大導入時処遇改善コース、短時間労働者労働時間延長コースと、さまざまな対象コースが存在するが、この記事では、2021年4月より内容が変更されたキャリアアップ助成金より「正社員化コース」の概要や特徴について解説していく。

キャリアアップ助成金とは?

キャリアアップ助成金のコースについて-アフルエント

キャリアアップ助成金にはさまざまなコースがあるが、正社員を増やすという目的を持つ場合、まず注目すべきは正社員化コースだろう。この正社員化コースは、派遣社員や有期雇用労働者、短時間労働者など非正規雇用者を正社員登用する際に活用できる制度で、1人あたり最大72万円の助成金が支給される。つまり、国から費用を支援してもらいながら、コロナ禍で大きな悩みとなりつつある企業の人材不足解消やキャリアアップの促進、ひいては生産性の向上につなげることができるのだ。

2021年4月に内容が見直され大きく変更され、正社員化コースが当初の内容と変わっていることからも、取組を実施する意味はまだまだありそうだ。正社員化コースとは異なるが、非正規雇用者との関係が深い短時間労働者労働時間延長コースについては、2020年度限りとしていた措置を2022年9月末までに取り組みの実施期間が延長されている。このように終了を予定していたコースが延長されたなど、変更が出ている点も含め、キャリアアップ助成金に目を向けていきたい。

キャリアアップ助成金の手続き・登録方法

キャリアアップ助成金の提出書類-アフルエント

「キャリアアップ助成金」を利用するためには、適用事業所住所を管轄する労働局やハローワークで登録手続きを行う必要がある。ここでは、提出に必要な書類や仕組みを紹介する。

キャリアアップ助成金の提出書類

キャリアアップ助成金は、2021年4月1日以降に取り組みを行った場合、支給申請期限内の提出に限り申請ができる。各コースによって必要書類の内容が変わるが、ここでは正社員化コースに必要な提出書類をまとめてみた。

・キャリアアップ助成金支給申請書(様式第3号)
・正社員化コース内訳(様式第3号)
・支給要件確認申立書(様式1号)
・支払い方法、受取人住所届
・キャリアアップ計画書の写し
・労働協約の写し、または就業規則の写し(こちらに準ずる書類でも可能)
・就業規則の写し、または労働協約等の写し
・対象労働者の転換前後の雇用契約書または、直接雇用後の労働条件通知書、雇用契約書の写し
・対象労働者の賃金台帳の写し
・賃金3%以上増額に係る計算書
・対象労働者の出勤簿またはタイムカードの写し
・中小企業事業主であることの確認書類

対象労働者が母子(父子)家庭、外国人、勤務地限定など、特殊な場合は、別途必要になる書類があるので、必ず確認が必要だ。キャリアアップ助成金の申請様式は、厚生労働省の公式サイトよりダウンロードができる。

キャリアアップ助成金の支給額

キャリアアップ助成金の正社員化コースを申請する場合、中小企業が非正規雇用者等(有期雇用労働者や派遣社員など)を正規雇用労働者等(=正社員)に転換または直接雇用すると、いくら支給されるのか。具体的な助成金額は以下の通りになる。なお、前述にも記したように、外国人や母子(父子)家庭など特殊な場合は計算方法が異なるので注意が必要だ。

有期→正規の場合:1人当たり57万円(最大72万円)
有期→無期の場合:1人当たり28万5千円(最大36万円)
無期→正規の場合:1人当たり28万5千円(最大36万円)

また、2022年9月末までに延長が決定した短時間労働者労働時間延長コースの助成金は、大きく分けて2パターン。短時間労働者の週所定労働時間を5時間以上延長し、新たに社会保険に適用した場合は「1人当たり22万5千円」、労働者の手取り収入が減少しないよう週所定労働時間を1~4時間延長するとともに基本給を昇給し、新たに社会保険に適用させた場合は「1人当たり4万5千円~18万円」となる。ただし、これらの情報は2021年3月31日までの暫定措置となるため、今後情報が更新される可能性もあるだろう。

助成金を受給するまでの流れ

キャリアアップ助成金が受給するためには、必要資料の提出から実際の取り組みに対して順を追って進めていく必要がある。基本の流れはキャリアアップ計画が認められた後、正社員登用に関する就業規則等の設定・変更を行い、該当する就業規則に基づき、非正規雇用者等を正社員として雇用。正社員転換後は半年間の賃金の支払いを経て、助成金を申請するこの時、正社員転換後の賃金が、転換前賃金と比較して3%以上増額している必要がある。正社員化コースの流れを簡略化したものが下記になる。

キャリアアップ計画の作成

キャリアアップ計画を労働局・ハローワークに提出

転換規定がない場合は就業規則等を改定

正社員等への転換

転換後、6ヶ月の賃金支払い

支給申請

審査と決定

助成金の受給

キャリアアップ助成金のメリット・デメリット

経営者にとって最善の選択肢-アフルエント

キャリアアップ助成金を申請するにあたり、メリットとデメリットの両方が存在することを忘れてはならない。経営者にとって最善の選択肢をするためにも、多角的な視点から決めていくことをおすすめする。

メリット

キャリアアップ助成金最大のメリットは、非正規雇用労働者の数を減らすことにつながるという点だ。派遣労働者やアルバイト・パート労働者を正社員化することで定着率が向上し、雇用者と労働者にとってWIN-WINの関係が作れることも利点といえる。また、正社員登用に伴い賃上げが必要になるが、助成金が支給されることで負担が軽減されるため、より優秀な人材を正社員登用することにつながる。

デメリット

キャリアアップ助成金のデメリットは、手続きの煩雑さがあげられる。助成金が支給されるためには各種の書類を作成提出する必要があり、各企業の事務工数が増える点は大きな課題となる。また、実際にキャリアアップ助成金を使って正社員化すると、賃金額が上がる上、社会保険の加入など人件費そのものが増加する。解雇者がいた場合は申請できないなど細かな規定を事前に確認する必要がある。

参考:厚生労働省キャリアアップ助成金厚生労働省

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