伝統を受け継ぎ後世に残す 継ぎ人 匠

継ぎ人 その二十二

町と人への真っ直ぐな忠誠心で「ろ組」の纏を守る

ISSUED | 2019.02

鹿島 四代目/江戸消防記念会 第一区三番組「ろ組」組頭 鹿島 彰さん

  • 伝統ジャンル | 江戸町火消し 継 承 歴 | 四代目
  • 1969年東京・日本橋生まれ。鳶、建設施工、ビルメンテナンスを行う株式会社鹿島社長。「ろ組」鳶頭だった父親に連れられ子どもの頃から火消しの世界にかかわる。19歳で道具持ち、31歳で筒先、37歳で小頭、2014年3月副組頭、2015年組頭に昇進。日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会地域振興部会部会長としても精力的に活動中

町と人への真っ直ぐな忠誠心で「ろ組」の纏を守る

 消防の出初式で華麗な「梯子乗り」の技を披露したり、地域のお祭りの準備を仕切ったり、揃いの伴纏で粋に登場する町火消しをご存じだろうか? 鳶を本業とする彼らのルーツは江戸享保年間1718年に発令された町火消制度にまで遡る。「当初はお店衆や左官、大工が消火活動を担いましたが、火事場で目覚ましい活躍をした鳶で町火消しが編成されることになり、2年後『いろは四十八組』が改編されたそうです」とは、日本橋、八重洲、江戸橋エリアを受け持つ「ろ組」組頭・鹿島彰さん。

 昭和以降、消防活動は消防署、「梯子乗り」「纏振り」「木遣り」など江戸町火消し由来の伝統文化の保存は江戸消防記念会が分担。東京23区で現在、87組、約600人の鳶が所属している。「『ろ組』の会員は11人。月2回の『木遣り』『梯子乗り』の稽古、月1回の寄り合いを基本に、祭礼や町の行事で活動しています。今でも、大正15年に発布された〝お達し〞を見える処に置いてその心構えを確認しているんです。担当町内で労力を惜しまず研鑽を積んで、有事の際には身を挺して火焔の中に飛び込めとあります。それくらいの覚悟で町のために尽くさなければならないということでしょう。『町火消しの伴纏は町や旦那衆にかわいがってもらわなければ偽物の伴纏になってしまう』とよく父は言っていましたから」。

 町は変わり、纏を保管する場所にも事欠く組もあるというご時世で、伝統文化を本来の姿で継承していくことは容易ではない。「組頭は人に仕える実直さ、真面目だけではない町への忠誠心がないと務まりません。贔屓にしてくれる町や旦那衆がいる限り、『ろ組』の纏を倒すわけにはいかないのです。町が持つ力を合わせて、本物の伴纏を守っていきたいです」。

  • 継続

  • 匠の言葉

    「継続」
    子どもの頃から、書き初めなどで好んで書いている「継続」という言葉。「同じことを何度も続けていってこそ、技術がついてくるのではないかと思うんです」。端正な筆致に鹿島さんの人柄が表れるようだ

店舗情報

株式会社鹿島

  • 株式会社鹿島
    住所 東京都中央区日本橋2-1-10  柳屋ビル地下1階▶︎MAP
    電話番号 03-3273-7707

    2016年2月28日、ロイヤルパークホテルで行われた「組頭就任祝賀式」で披露された「ろ組」の纏や道具

    左)鹿島家は江戸時代、頬紅や口紅、鬢づけ油などを商う大店・柳屋のお抱え鳶を務0めてきた家。これは先々代が作った木札

    右)「火の用心」の提灯も年季が入っている

    「ろ組」の総形伴纏。組ごとに独自の図案があしらわれている。鳶頭と呼ばれるのは三役(組頭、副組頭、小頭)で、上に赤い役伴纏を着ることが許される

この記事をシェアする

RELATED ARTICLESこちらの記事もおすすめです

記事一覧 継ぎ人 記事一覧