Alfa Romeo Giulia（アルファロメオ・ジュリア）

操る楽しさを知る大人が乗るべきFRセダン

　クルマ好きにとって、アルファロメオは特別な存在だ。1910年の創業時からレース活動を行ない、初代F1チャンピオンなどレース界を席巻。洗練されたイタリアンデザインを纏った市販車は、とにかく操ることが楽しく、かのエンツォ・フェラーリやヘンリー・フォードからもリスペクトされ、「アルフィスタ」と呼ばれる熱狂的なファンを世界中に持つ希代のスポーツカーメーカー。それがアルファロメオである。
そのアルファロメオが昨年、フラッグシップモデル「ジュリア」をリリースした。「ジュリア」の名は、1962年に発売され、当時先進的だった空力やDOHCエンジンを採用し大ヒットした同社を代表するスポーツセダンの名で、その往年の名車の名を復活させたモデルとなる。同社セダンモデル25年ぶりとなるFR（前置エンジン・後輪駆動）レイアウトを採用し、軽快でシャープなハンドリングと十分すぎるパワーを与えられたこの新型「ジュリア」は、初代「ジュリア」が世界に知らしめた「クルマを操る楽しさとはこういうこと」という数式を、しっかりと受け継いでいるのだ。特にトップグレードとなる「クアドリフォリオ」には、フェラーリゆずりのV型6気筒エンジンが搭載され、走りのこだわりが徹底的に磨きこまれているのだ。
今年30年振りにF1にその名を復活させたり、FRセダンを復活させたりと、何かとアルフィスタを忙しくさせているアルファロメオ。エコや自動運転に食傷気味な方にとって、「ジュリア」はクルマが単なる移動手段の道具ではなく、「人生を楽しむためのもの」ということを、改めて教えてくれる一台になるに違いない。