暮らしを豊かに演出する日本が誇る名品
Photographs_HIDE NOGATA.
日に日の暑さが増して冷たい飲み物をいただく機会が増えるこの季節。今回は、そんなこれからの季節にぜひ用意しておきたい、使うことが楽しみになる“グラス”をピックアップしたい。
今回ご紹介するのは、どこか涼し気で美しい、カガミクリスタルの「江戸切子 ペアスリムグラス」だ。
カガミクリスタルは、ドイツでクリスタルガラスの加工、彫刻技術を学んだ各務鑛三（かがみこうぞう）によって、1934年に創立された日本初のクリスタル専門メーカー。妥協をゆるさず、クリスタルの美しさとその特性を最大限にいかすことを目指した各務の作品は、会社創立間もない1937年のパリ万国博覧会での銀賞受賞に始まり、ニューヨーク万国博覧会名誉賞、ブラッセル万国博覧会グランプリ受賞など、数々の賞を獲得。瞬く間に世界にその名を知らしめた。国内でもウイスキー瓶やシャンデリアなど幅広いジャンルで数多くの製品を手掛け評価を高め、皇室の御用達となるなど、まさに日本を代表する最高級のクリスタルブランドに上り詰める。そして、現在も首相官邸や世界250以上の日本大使館・領事館、国賓を迎えての晩餐会などで使用されているのだ。
そのカガミクリスタルが手掛ける江戸切子は、長年培ってきた高い技術力をいかし自社の切子士、伝統工芸士とともに作り上げることで、クリスタルガラス最大の特徴である透き通る透明感をさらに際立たせている。写真のスリムグラスは、鮮やかな色被せガラスに伝統の紋様「星」を散りばめ、手にスッと馴染むフォルムの小ぶりなサイズながら、程よい重量感に、グラス同士が触れたり、グラスに氷を入れた時に響く独特の音の余韻など、「これぞクリスタルガラス！」と思わせてくれる、まさに逸品といえる仕上がりだ。
最高級のクリスタルメーカーが仕上げた、大人なら一つは持っておきたい高品質なクリスタルのグラス。このグラスで飲むビールなら、いつもとはひと味違う満足感が楽しめるに違いない。
