「2025年にもう一度飲む、琥珀色の日本酒」青木酒造の新たなるチャレンジに注目が集まっている。歳月を重ねるほど色合いや味わいが変化する日本酒。全国的にもあまり見られない製法で造る日本酒は、日本酒の概念を変えるきっかけになるだろう。2022年の味を、そして時を経た2025年の味を楽しんではいかがだろうか。
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「蔵付き酵母のみ」で醸す青木酒造
青木酒造は1805年(江戸後期)より200年以上の歴史を持つ酒蔵だ。日本全国でも珍しい「蔵付き酵母のみ」で醸す、こだわり酒造りを受け継いでいる。青木酒造が造り出す日本酒は、どっしりと甘く、濃厚かつ複雑な旨味が口に広がる味わい……そして最後には驚くほどのスッキリとした後味が特徴だ。そんな青木酒造の若き15代目が新たな挑戦「琥珀色の日本酒」と呼ばれる米宗再醸酒の造りに挑んでいる。
「琥珀色の日本酒」の正体
「琥珀色の日本酒」とは一体どのようなものなのか。「琥珀色の日本酒」を特徴づける5つのポイントを紹介しよう。
日本酒で仕込む再仕込み醸造酒
「琥珀色の日本酒」は酒造りの工程で日本酒を加えて造る再仕込み醸造酒だ。いわば日本酒1本を2本分以上の手間と時間と原料を使った贅沢な一品。愛知県・安城産の「夢吟香(ゆめぎんが)」を使用した2年熟成酒を用いて醸している。「ウイスキーにも負けない存在感を目指す」と語る15代目が造り上げる味わいは、複雑で甘く濃い。そして完全発酵させることで、後味はスッキリとしたキレのいい日本酒に仕上がる予定だ。
個性が強い「夢吟香(ゆめぎんが)」
米宗再醸酒の原料となる「夢吟香」は、愛知県・安城市産、そしてお米の旨味がしっかりとしており「個性」が強いと言われている。その個性はアミノ酸が多く含まれているからだ。このことにより旨味や渋み、苦みなどさまざまな雑味を生み出す。そしてアミノ酸とお米の旨味が融合し熟成することで、複雑な味わいをもつ日本酒が誕生するのだ。「夢吟香」なくしては、まさにこの挑戦はあり得なかっただろう。
日本全国でも珍しい「蔵付き酵母」
蔵に住み着いた酵母(蔵付き酵母)のみで醸す酵母無添加造りは、愛知県では他にみられない。全国を見渡しても珍しい酒造り方法だ。青木酒造では「酒母」も「もろみ」も通常の2倍近くの時間をかけて育てている。長い年月を、自然界を生き抜いた強い「蔵付き酵母」だからこそ「完全発酵」ができるのだ。そして、その「完全発酵」が甘くて濃い中にもスッキリした味わいを生み出している。
「一生に一度きり」の日本酒
「日本酒は菌が造るものであるから再現性は求めていない。今この瞬間の菌とこれからの菌は必ず変化している。その場所で、その時でないと、その味は出ないと思っている。」このように語るのは青木酒造の15代目。「琥珀色の日本酒」は「今の青木酒造」にしか造り出せないのだ。
歳を重ねる日本酒
逞しい酵母で醸した日本酒は、開封後も時間をかけて楽しむことが可能だ。限定10セット「3年酒蔵熟成セット」では、出来立ての1本目が2022年2月に届く。2本目は酒蔵で3年熟成させ2025年に。「1本目は2025年の自分を想像して、2本目は歳月を重ねて育った味を、2022年を振り返りながら味わってもらいたい。」と15代目は願っている。