TOP MAGAZINE特集 「所有」の枠を広げる新たな可能性 別荘ニューウェーブ

「所有」の枠を広げる新たな可能性
別荘ニューウェーブ

発行: 最終更新日:

写真提供:NOT A HOTEL NASU「MASTERPIECE」

新しい別荘の形が、生まれてきている。
サブスクやシェア型といった所有方式が広がったり、有名建築家が手がけた空間を
より気軽に所有できたりと、そのあり方は日々進化しているのだ。

Edit&Word_NOBUYUKI YAMAHA. IKUMI UENO. KANTA KOSUGI (effect).
Photographs_KOZO TAKAYAMA(NOT A HOTEL NASU[MASTERPIECE]).
※記載価格はすべて税込です。

圧倒的な体験が日常に続々と誕生する
別荘の新しいスタイル

多拠点生活はコロナ禍がもたらした一過性のものではなく、一種の文化として定着してきている。リモートワークは一般化し、生き方や暮らしのあり方を改めて見直す人も増えた。住環境に利便性だけでなく、自然の中で暮らす心地よさや、かけがえのない体験を求める傾向にあるのだ。そんな生活を実現させる手段の一つが別荘だが、そのあり方が大きく変わりつつある。

中でも台頭してきているのが、シェア別荘とサブスク別荘の二つのサービスだ。シェア別荘は一つの施設を複数人で共同所有することができる仕組みで、サブスク別荘は月に決まった額を支払えば施設を利用できる。さらに注目したいのが、これらの事業の中には、世界で活躍する建築家が手がけたデザイン性の高い施設を有していたり、一流ホテル並みのもてなしを提供していたりと、ラグジュアリーな空間とサービスを享受できるものが増えてきていることだ。これまでは手が届かなかったような圧倒的な体験を、より身近に、日常的に得ることが可能になった。また複数拠点を展開するサービスでは、滞在する施設を自由に選べるものも多く、日本各地の四季折々の風情を楽しむこともできる。

今回はそんな上質な多拠点生活が叶う、これまでになかった新しい別荘の形をご紹介しよう。

シェア別荘

NOT A HOTEL

NOT A HOTEL

世界的建築家ビャルケ・インゲルス氏が率いるBIG(Bjarke Ingels Group)が手がけ、2024年夏に販売が予定されているNOT A HOTEL SETOUCHI。日本の風土にインスパイアを受けた円形建築の存在感に圧倒される。

世界的建築家の“作品”を所有する贅沢

2021年にオンライン販売が開始されたシェア別荘で、最小年間10泊から、必要な分だけ購入して所有できるNOT A HOTEL。現在、国内に6拠点が開業しており、契約した物件以外にも相互利用が可能だ。どの施設も国内外で活躍する著名建築家が手がけているため、上質な空間での別荘体験がより手軽に実現できる。また全拠点にスマートホーム機能を搭載し、照明などの操作がスマートフォンから可能に。快適な滞在を提供する。2025年夏にはみなかみや瀬戸内にも物件を開業予定で、今後に注目が集まる別荘サービスだ。

  • 室内から瀬戸内の海と山々を望めるSETOUCHIのリビングルーム。

    室内から瀬戸内の海と山々を望めるSETOUCHIのリビングルーム。

  • NOT A HOTEL AOSHIMA「MASTERPIECE」は海まで10秒という立地で、開放的なテラスから絶景を望める。

    NOT A HOTEL AOSHIMA「MASTERPIECE」は海まで10秒という立地で、開放的なテラスから絶景を望める。

NOT A HOTEL株式会社

拠点数: 6ヶ所(2024年6月時点)
所在エリア: 宮崎県青島、栃木県那須、福岡県薬院、その他
料金: 購入金額例 NOT A HOTEL SETOUCHI、1口3億5,054万円(全36口※1口あたり年間30泊、複数口購入可能)、管理費別途

※購入金額は施設によって異なる ※不動産所有(共有持分)、売却可能

サブスク別荘

SANU 2nd Home

SANU 2nd Home

SANU CABIN BEEは20拠点内の約7割のエリアに配するSANUのシグネチャー別荘。アーチ状のデザインが印象深い。

自然に溶け込むハイセンスなウッドハウス

定額料金で複数の拠点に滞在できるSANUのサブスク別荘サービスは、気分に合わせて場所を選択できるのが特長。那須、八ヶ岳、伊豆高原、淡路島といった日本有数の景勝地に点在しているため旅感覚でステイできる。メゾネットタイプやスタジオタイプなど棟によって空間様式が違うのも魅力だ。加えて、全ての建築に国産材を使用しており、2022年には「SANU CABIN BEE」が林野庁のウッドデザインアワード最優秀賞「環境大臣賞」を受賞。木に囲まれた温もりある空間で、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがだろう。

  • 「自然を回復する」 をテーマにした海が望める拠点SANU LOFT SKYはメゾネットタイプの建築。 地域産サンブスギを使用した外壁が自然と見事に調和している。

    「自然を回復する」 をテーマにした海が望める拠点SANU LOFT SKYはメゾネットタイプの建築。 地域産サンブスギを使用した外壁が自然と見事に調和している。

  • SANU CABIN WITH SAUNAにはテラスにバレルサウナを設置。水風呂と外気浴スペースも完備されているため自然の中で贅沢に「ととのう」 を堪能できる。

    SANU CABIN WITH SAUNAにはテラスにバレルサウナを設置。水風呂と外気浴スペースも完備されているため自然の中で贅沢に「ととのう」 を堪能できる。

株式会社Sanu

拠点数: 20ヶ所(2024年7月現在)
所在エリア: 栃木県那須、山梨県山中湖、その他
電話: 050-1807-2687
料金: 個人向けサブスクリプションプラン 月額5万5,000円(施設利用料1泊3,300円~)

シェア別荘

GLAMDAY STYLE TEITAKU

GLAMDAY STYLE TEITAKU

GLAMDAY STYLE TEITAKU 「空ノ庭」にある200㎡以上の広大なテラスからはダイナミックな景観が望める。またハウスキーピングは専属スタッフが行うため、常に整った環境の別荘に滞在できる。

避暑地に佇むモダン別荘で優雅なひと時

別荘地として人気の軽井沢に展開するシェア型別荘。豊かな自然の中に佇むモダン建築が特長で、テラスからは緑溢れる景観が望める。1棟を24名でシェアするため購入金額3000万円+管理費などと、ハイエンド別荘の購入価格と比べると手が届きやすい。スモールラグジュアリーリゾート「ふふ」と同じ運営会社のためホスピタリティも充実しており、優雅な時間を過ごせるのも魅力だ。第1弾の「空ノ庭」が好評を博し、第2弾の「水ノ星」の分譲も好調。

  • GLAMDAY STYLE TEITAKU「水ノ星」のリビングは光の取込みに長けた美しい空間。ベッドルームとバスルームが3つあり最大9名で過ごせる。

    GLAMDAY STYLE TEITAKU「水ノ星」のリビングは光の取込みに長けた美しい空間。ベッドルームとバスルームが3つあり最大9名で過ごせる。

カトープレジャーグループ

拠点数: 2ヶ所
所在エリア: 長野県軽井沢
電話: 03-6384-5030
料金: 水ノ星 1口3,000万円(全24口※1口あたり年間14泊、複数口購入可能)、
管理費月額49,500円、修繕積立金月額10,000円(施設利用料1泊11,000円)

※不動産所有(共有持分)、売却可能

サブスク別荘

Village X

Village X

室内は40.5㎡とコンパクトでありながらワークスペースやキッチン完備など生活ニーズを満たしており、「VILLA Model B」の浴室はビューバスタイプ。

非日常を日常にするリトリートサービス

河口湖や軽井沢など都心部からのアクセスが良好かつ、飲食店等々が揃う商業地にも近いエリアに展開する、別荘のサブスク。自然と調和したスタイリッシュな平屋は、室内面積が40.5㎡と過ごしやすいサイズ感で、普段の暮らしの延長のような感覚で心地よい時間を満喫できる。それでいて別荘の周りでは木々や動物を観察でき、非日常を体験できるのも魅力。利用は専用アプリひとつで完結するため、スタッフとのやりとりもないプライベートな時間が約束される。

  • A・Bと2種類の部屋タイプが用意されており、どちらも大きな窓が印象的なデザインの解放感のあるプライベート空間。

    A・Bと2種類の部屋タイプが用意されており、どちらも大きな窓が印象的なデザインの解放感のあるプライベート空間。

YAMATO Hotel&Residence株式会社

拠点数: 2ヶ所
所在エリア: 長野県軽井沢、山梨県河口湖
電話: 03-6432-9366 
料金: スタンダード 月額70,000円(施設利用料1泊3,300円~)、プレミア 月額120,000円(施設利用料不要)

※2024年8月6日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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