TOP TREND EYE 【旅するウェルネス】第5回:ヴィーガン大国・ドイツを食す

【旅するウェルネス】第5回:ヴィーガン大国・ドイツを食す

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「夜だけヴィーガン」のススメ

(写真はイメージ

前回お話しした、スイスにあるクリニック・ラ・プレリーでの「夜だけヴィーガン生活」にすっかりハマってしまった私。
以前から、16時間ダイエットなどのファスティングにより身体を休めてリセットさせる事は好きだったが、やはり、夜に胃の負担を和らげることは、体調にダイレクトに響くような気がしている。とにかく体が軽い。

それでも、ストレスの方が大敵!お付き合いに支障がない程度に、無理のない範囲で、がモットー。できるだけ夜には牛・羊など赤身のお肉は避け、野菜中心の食事にシフトチェンジ。楽しくおいしい夜ヴィーガン生活。

でも問題は、京都には素敵なヴィーガンレストランが少ないこと!!!!
そして美味しい代替肉も日本には少ない!!

そんな気持ちでやってきたのは、ドイツ・ベルリン。
ビールとソーセージの印象が強いドイツだが、実はヴィーガン先進国とも呼ばれている。ドイツ語の発音で言うと「ヴェーガン」だ。

ミシュラン・グリーンスター獲得の「フレア」

(写真はイメージ

Copyright © 2020 – FREA GmbH

今回の旅の目的は、ヴィーガン先進国の現状を知ること。
予想に違わず、世界のヴィーガン事情は進化を続けていた。まずは、至るところに発見する「VEGAN」の文字。それだけ市民権を得ていることがわかる。
そして、一般的な食事と遜色のないヴィーガンメニューの数々から感じるのは、ヴィーガン=野菜しか食べないという、云わば制約を自身に課している方たちも、美味しい食事を楽しみたいという気持ちは同じである、ということだ。

お目当てのヴィーガンレストラン「FREA」は、そういった「主義」と「嗜好」のどちらも満足させる場所だ。ミシュランガイドのグリーンスター(サステナブルな活動に積極的なレストランに送られる称号)も獲得した、ベルリンで大人気のレストランだ。ヴィーガンメニューを提供するだけではなく、ドイツ初のゼロウェイスト(ごみを出さない)レストランであることにも注目されている。

言葉だけを並べると、ルールに縛られた堅苦しいお店を想像してしまうかもしれない。しかしながら、FREA店内は心地の良い空間が広がり、またエネルギーに満ち溢れている。
美しく盛られた料理たちは、それが野菜のみで構成されていることなんか完全に忘れさせるほど。多種多様な味わいを兼ね備えたヴィーガンメニューからは、「制約される不自由」ではなく、「選び取る自由」が感じられる。

ファッショナブルな女性客の足元には、彼女の家族であろう大型犬がおとなしく伏せており、気さくなスタッフが彼(彼女)のための食事もサーブする姿は、日本ではあまり見られない、とても素敵な光景。

ヴィーガンフレンドリーを目指して

(写真はイメージ

さらにFREAでは、姉妹店であるベーカリーが作る「ヴィーガンブレッド」が提供されている。

パンの主な材料と言えば、小麦とイースト、少量の塩、そしてバター。中でも、バターがパンの味を決める、と言っても過言ではないくらい、その種類により風味や味わいに大きな影響を与える食材である。バゲットやチャパタなど、バターを使用していないパンもあるが、生地の間にバターを織り込むクロワッサンなどは、バターの存在が重要となる。

しかしながら、ヴィーガンには動物のミルクから作るバターももちろんNG。代わりに植物油や植物性マーガリンを使用するのだが、正直なところ、ヴィーガンにこだわったパンで美味しいものに巡り合ったことが今までなかった。

それがどうだろう、FREAのヴィーガンブレッドの種類の豊富さ!独自に開発した植物性マーガリンで代替し、一般的なパンに劣らない、それよりも美味しいパンに仕上がっているのだ。FREAが家の近くにあるならば、夜だけと言わず完全ヴィーガンにシフトチェンジしたくなるかもしれないな、としみじみ思う。

日本のことに置き換えてみる。
海外からの観光客が後を絶たない京都。ヴィーガンの店は増えてきたものの、ヴィーガンツーリストの胃袋を満足させる食べ物はまだまだ少ないように感じる。
私の運営する2/7 kitchen BAKERY(ななぶんのにキッチン ベーカリー)でも、まずは「ヴィーガンフレンドリー」として、バターを使っていないパンをご紹介。少しでもストレスなく京都の食事を楽しんでいただきたいものである。

(写真はイメージ

京都四条烏丸「2/7 kitchen BAKERY(ななぶんのにキッチン ベーカリー)」
https://27kitchen.com/bakery/

プロフィール
■筆者プロフィール
春日 郁代(かすが いくよ)
株式会社ヒューマンリソースコミュニケーションズ 代表取締役
Spa~Nursery Japan オーナー
一般社団法人日本インターナショナルセラピスト協会 理事長

CIDESCO認定インターナショナルエステティシャン
CIBTAC認定スキントリートメント/ボディマッサージ
日本エステティック業協会(AEA)認定インターナショナルエステティシャン、認定講師

公務員を経て、大手エステサロンに勤務。2年後に店長となり、全国売上1位店に押し上げる。
その後京都にてサロンを開業し約35年にわたり経営。
アロマティックスキンケアブランド「Nursery」をはじめ、長年培った美容経験と女性の感性に寄り添って立ち上げた多様なビューティー商品は、アメリカ、中国、UAE他、世界中で販売・愛用されている。
また、スパアナリストとして、世界各国のスパを調査、コンサルティングを行う。
ワールドレベルの美容サービスの在り方を考え、世界に通用する美容従事者の育成とジャパニーズビューティーの国際的普及を目指し、日々アクティブに邁進している。
https://hrc.inc/

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※2024年5月26日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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