伝統を受け継ぎ後世に残す 継ぎ人 匠

継ぎ人 その二

行き交う人々に福を呼ぶ、笑顔のお菓子屋さん

ISSUED | 2017.05

人形焼本舗 板倉屋 四代目若旦那 藤井 嘉人さん

  • 伝統ジャンル | 人形焼 継承歴 | 10年
  • 24歳で家業である『人形焼本舗 板倉屋』にて職人としての一歩を踏み出す。今よりもさらに美味しい人形焼を目指し、日々研究を重ねる知性派職人。尚、現在お嫁さん候補募集中だとか。

行き交う人々に福を呼ぶ、笑顔のお菓子屋さん

 ここは東京のど真ん中、日本橋人形町。江戸時代は芝居町として賑わいをみせた町並みをのんびり散策していると、ほのかに漂うあま~い匂い。その匂いについつられて、たどり着いた先は『板倉屋』。 創業時は乾物屋として、雑貨やら何やらを扱う町の便利屋さんとして営業。板倉屋が人形焼をはじめたのは、小麦粉や卵が庶民の食材として広まった明治中ごろ。初代店主が大阪の職人から伝わった焼き菓子とまんじゅうをアレンジし、町の名前でもある“人形”を模したお菓子 を作ったのがはじまりだ。今は三代目の藤井義己さんが店主を務め、息子である四代目若旦那の嘉人さんが人形焼を焼く。 「四代目として店を継ぐことはとても自然な流れで。大学を卒業して一度は社会に出たのですが、24歳のとき、父が肩の怪我をしたのをきっかけに家業を手伝うことになりました」。

 いまや東京名物の代名詞となった人形焼。たかが人形焼、と侮るなかれ! ここ板倉屋の人形焼を食べれば、これまでのイメージが180度変わってしまう。

 「うちの人形焼は、ほぼ手作業で作っています。メレンゲだけでも毎日140個分の卵を機械を使わずに手で泡立てるんです。一日に二千個くらいは焼きますね。大変な作業でしょ? だけどお客様の笑顔を見ているだけで苦労も忘れてしまいます」。 この店良いお店なんですよ、と嬉しそうに話す。決して大きな店ではないが、この目の行き届くサイズが心地よいのだという。どこか捉えどころのない魅力がある嘉人さん。しかしその心の奥底には、継ぎ人としての熱いものがあるようだ。

  • 笑顔の御菓子 藤井嘉人

  • 匠の言葉

    「笑顔の御菓子」
    嘉人さんが悩みに悩んだ末、選んだ言葉。照れ隠しに描いた七福神(?)の絵が、嘉人さんの優しい人柄を表しているようだ。

店舗情報

板倉屋

  • 人形焼をご購入された方に人形焼1個プレゼント!
    ※ご購入時に「アフルエントを見た」とお伝えください

  • 住所 中央区日本橋人形町2-4-2   ▶︎MAP
    電話番号 03-3667-4818
    営業時間 9:00~売り切れ次第終了
    不定休
    WEBサイト http://www.itakuraya.com/

    生地の甘みには、ハチミツ、練乳、みりんを使う。北海道十勝産小豆で作るこし餡は、水にもこだわり、生地に合うちょうど良い硬さに仕上げる。卵の黄身をたっぷり使っているため冷めても生地の弾力がしっかり残り、美味しくいただけるのも板倉屋の人形焼ならでは!

    板倉屋創業当時からの定番商品の七福神。「6人しかいない七福神に、お客様の笑顔を足して、七福神にしてあげてください」と、なんとも洒落のきいた縁起物。

    「嘉人が作る人形焼は、俺のと違って繊細なんだよ」と三代目の義己さん。嘉人さんの仕事を義己さんが手伝うことも。親子でありながら、互いに職人として尊重し合っている云わば同志のような関係だ。
    「人形焼はひとりではできない仕事です。皆が手伝ってくれるから、安心して美味しい人形焼が焼けるんです」と嘉人さん。

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