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オーベルジュで過ごす極上の時間
美味探訪

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OSTERIA SINCERITÀ

シェフの技と創意工夫で、地元の食材を存分に生かした料理が楽しめる、宿泊施設を備えたレストラン「オーベルジュ」。
自慢の一皿を楽しみに、自然の中で極上の時間を過ごす旅へ。

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近年、日本各地でオーベルジュの開業が相次いでいる。独自のコンセプトや世界観を持ち、そこでしか味わえない“エクスクルーシブ”な体験で訪れる人をもてなす施設が多い。主役は、地元の食材を使い、その魅力を知り尽くしたシェフが自らの経験とアイデアを駆使して丁寧に手掛ける料理。宿泊施設だから帰りの移動を気にすることなく、時間をかけて心行くまで料理、お酒、会話を楽しみながら過ごせる。

また、近ごろのオーベルジュは料理のみならず、温泉やサウナ、広大な海や星空などの絶景、こだわりの建築、アート空間など、施設自体の魅力も充実しているのが特徴だ。都会の喧騒を離れ、くつろぎの時間が流れる、滞在そのものが旅の目的となるオーベルジュを訪れてみたい。

※各施設の料理写真は一例です。料理内容は季節、収穫状況などにより変更されます。

盆地の風土が育む美味 1日3組限定の贅沢空間

山形県
OSTERIA SINCERITÀーオステリア・シンチェリータ

米ぬかの餌で育った米沢牛。オレイン酸をたっぷり含んだ口溶けの良い脂が特徴

米ぬかの餌で育った米沢牛。オレイン酸をたっぷり含んだ口溶けの良い脂が特徴

2023年春にオープンした、1日3組限定のオーベルジュ。ディナーは原田シェフが手掛ける創作イタリアンを堪能できる。オープンキッチンで美しい料理が仕上がっていく過程を目にすると、否が応でも料理への期待が高まる。厳しい冬を3回超えて、かむほどに甘みが広がる深い味わいに育った米沢牛や、置賜盆地の寒暖差で旨みが凝縮された野菜やフルーツも魅力的。ぜひ多彩なラインアップがそろうイタリアナチュラルワインとのマリアージュを。メゾネットタイプの各客室は、地元山形で製作された北欧デザインの家具を設え、スタイリッシュで落ち着いた空間。全ての客室に檜風呂があり、湯守が水を加えずその日の気温情報とバルブの開度だけで42度に調整した100%の源泉を楽しめる。一つひとつにこだわり尽くした〝本物〞のサービスをじっくり満喫したい。

PROFILE

OSTERIA SINCERITÀ シェフ 原田 誠さん
シェフ 原田 誠さん

10代から日本料理を学び、30歳でイタリア料理に転向。2010年祖父の代から続く食堂を継承し、新潟県三条市にイタリア料理店をオープン。料理研究会「ラボクチ」を結成し、食文化を追求、発信する。2023年春より現職。

  • 華やかな香り、旨み、深みが特徴の「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」は、ソムリエの一押しワイン

    華やかな香り、旨み、深みが特徴の「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」は、ソムリエの一押しワイン

  • 朝食は夕食のイタリアンから一転、土鍋で炊いたご飯など和を基調にしたメニューが用意される

    朝食は夕食のイタリアンから一転、土鍋で炊いたご飯など和を基調にしたメニューが用意される

  • 3室のうちの一室「ALBA」には、福王寺法林が描いた秋景色「早暁 霊山」が

    3室のうちの一室「ALBA」には、福王寺法林が描いた秋景色「早暁 霊山」が

  • 中庭のファイヤーピットで爽やかな秋風と炎の揺らめき、星空を眺めながら団らんを

    中庭のファイヤーピットで爽やかな秋風と炎の揺らめき、星空を眺めながら団らんを

瞑想をテーマにした貸し切りの岩風呂。畳の間の灯りで丸窓が月のように浮かび上がる瞑想をテーマにした貸し切りの岩風呂。畳の間の灯りで丸窓が月のように浮かび上がる

OSTERIA SINCERITÀ

住所: 山形県南陽市赤湯3005
電話番号: 0238-43-7800
料金: 1泊88,000円〜
(2名1室1名、税・サービス料・イタリアナチュラルワインペアリング込、入湯税別、夕・朝食付き)

季節を愛でる日本料理と伝統の湯治場で過ごす休日

群馬県
草津温泉 炯-kei-

季節の旬を集めた、目にも舌にも楽しい「初秋の八寸」

季節の旬を集めた、目にも舌にも楽しい「初秋の八寸」

2019年、再開発が進む裏草津にオープンした〝温泉オーベルジュ〞。夕食は村田料理長が食材の組み合わせや食感、香りなどを大切にした創作料理で、皿の上に広がる季節感を五感で楽しむことができる。自慢の温泉は白濁の地蔵源泉と強酸性の万代鉱源泉。低温から高温へ温度の異なる湯に浸かることで病を治すとされる、草津古来の入浴法を体験できるお風呂「AWASE」で、日頃の疲れを癒やしたい。露天風呂付きの客室「TAKASAGO」は、かつてこの地にあった人気旅館「高砂館」に敬意を込めた特別室。随所に職人の熟練の技を施した、くつろぎの空間でぐっすり眠ったら、地元群馬県産の食材にこだわった朝食が待っている。炭火で焼いた魚に出汁たっぷりの卵焼き、湯気が立つ釡でふっくら炊き上げたご飯が寝起きの胃に優しくアプローチ。1日の活力をチャージしたい。

PROFILE

草津温泉 炯 -kei- 料理長 村田経博さん
料理長 村田経博さん

日本料理を専門に学び、2008年から10年間「星野リゾート」に勤務。軽井沢、東京、京都など各地の「星のや」で活躍し、「星のや軽井沢」では副料理長を務める。「草津温泉 炯」に立ち上げから参画。

  • 日本料理をベースにさまざまな調理法を採用
  • 日本料理をベースにさまざまな調理法を採用

日本料理をベースにさまざまな調理法を採用

  • 貸し切り風呂「AWASE」は、草津温泉の宿の中でも希少性の高い地蔵源泉の湯

    貸し切り風呂「AWASE」は、草津温泉の宿の中でも希少性の高い地蔵源泉の湯

  • レストランの外には、「高砂館」の時代からの木々があえて残され、四季の移ろいを楽しめる

    レストランの外には、「高砂館」の時代からの木々があえて残され、四季の移ろいを楽しめる

温故知新をテーマに、「高砂館・欅の間」の雰囲気を散りばめた客室「TAKASAGO」温故知新をテーマに、「高砂館・欅の間」の雰囲気を散りばめた客室「TAKASAGO」

草津温泉 炯 -kei-

住所: 群馬県吾妻郡草津町草津297
電話番号: 0279-82-1800(9:00~18:00)
料金: 1泊 78,100円~
(TAKASAGO、2名1室1名、税・サービス料込、入湯税別、夕・朝食付き)

土づくりから食卓まで大地の恵みを味わう料理

大分県
ENOWA YUFUINーエノワ ユフイン

季節の旬を集めた、目にも舌にも楽しい「初秋の八寸」

「ビーツのタルタル」。その日一番の食材からシェフがインスピレーションを受けて作り上げた極上の一皿が供される

2023年6月にオープンした、緑に囲まれた〝隠れ家〞のようなオーベルジュ。レストランには決まったメニューがなく、タシシェフをはじめとする料理人が毎朝自社ファームへ出向き、厳選した旬の野菜やハーブで調理する。その一皿は、時にシンプルで、時に大胆。体の内側からエネルギーが沸き起こるような、大地の恵みを味わい尽くす体験だ。地産地消やサステナビリティ、さらには食材ロスも可能な限りゼロを目指し、味だけに留まらない〝Farm to Table〞を追求している。客室は約4万4000㎡の敷地内にヴィラ10棟とホテル棟が点在。ヴィラは全ての客室に温泉プールと厳選かけ流しの露天風呂を完備している。由布院を見下ろす高台にあり、四季折々の眺望も期待できる。秋から冬の季節は幻想的な雲海や、澄み切った空に広がる星々に出合えるかもしれない。

PROFILE

ENOWA YUFUIN エグゼクティブ・シェフ タシ・ジャムツォさん
エグゼクティブ・シェフ タシ・ジャムツォさん

米国の複数のレストランで修行の後、世界の食通が注目する「ブルーヒル・アット・ストーンバーンズ」で農場と食卓を結ぶ“Farm to Table”の概念を学ぶ。「ENOWA YUFUIN」に立ち上げから参画。

  • 朝食でもファームの野菜をふんだんに味わえる

    朝食でもファームの野菜をふんだんに味わえる

  • 京野菜の匠、石割照久さん(左)の指導のもと、手塩にかけて育てた野菜

    京野菜の匠、石割照久さん(左)の指導のもと、手塩にかけて育てた野菜

  • インフィニティ・プールの先に由布院の街を一望する客室「HILL TOP SKY PAVILION」

    インフィニティ・プールの先に由布院の街を一望する客室「HILL TOP SKY PAVILION」

  • 森の中に建つ薪式サウナ。汗をかいた後はウッドデッキで鳥の声を聴きながら整えて

    森の中に建つ薪式サウナ。汗をかいた後はウッドデッキで鳥の声を聴きながら整えて

緑に囲まれた「ENOWA YUFUIN」。木や石、土壁の建物に、流れ落ちる水の音が響く緑に囲まれた「ENOWA YUFUIN」。木や石、土壁の建物に、流れ落ちる水の音が響く

ENOWA YUFUIN

住所: 大分県由布市湯布院町川上丸尾544
電話番号: 0120-770-655(予約センター9:00~17:45)
料金: 1泊 72,600円~
(2名1室1名、税・サービス料込、入湯税別、夕・朝食付き)

鮨で能登の鮮魚を堪能 絶景とサウナで心身を整える

石川県
一 能登島

夕食は、四季折々の能登の幸を中心とした鮨のコースを味わえる

夕食は、四季折々の能登の幸を中心とした鮨のコースを味わえる

2023年9月にオープンした、北陸初、全国でも珍しい鮨のオーベルジュ。食材の宝庫として知られる能登の市場から毎朝鮮度抜群の魚介類を仕入れ、名店「鮨 みつ川」で腕を磨いた職人たちが絶品の鮨を握る。月に1回ほど、料理監修の光川さん自らが握ることも。地酒やビール、ワイン、地元のフルーツや野菜を使ったオリジナルカクテル、ノンアルコールメニューまでドリンクが多彩に揃うのもうれしい。客室は8組限定の全室オーシャンビュー。天候に恵まれれば、畳の上でくつろぎながら、立山連峰や日の出の絶景を心行くまで味わえる。貸し切りの薪サウナでも大きな窓に七尾湾の絶景が広がり、香り高い薬草湯と水風呂で、自然との一体感を感じながら心身を整えることができる。

PROFILE

一 能登島 監修 光川浩司さん
監修 光川浩司さん

「銀座久兵衛」、「金沢迎賓館 金茶寮」等を経て、2005年「鮨 みつ川」を開業。「一 能登島」料理監修者に就任し、仕入れ先やメニュー構成、器選びなどを支配人と二人三脚で進めた。現在も定期的に「一 能登島」へ赴き、細部に心を配る。

  • 洗練されたモダンなデザインの室内。専用サウナを備えた特別室も2室ある

    洗練されたモダンなデザインの室内。専用サウナを備えた特別室も2室ある

  • 貸し切りの薪サウナ。ドリンクを備えた専用ラウンジがあり、整う時間をゆっくり過ごせる

    貸し切りの薪サウナ。ドリンクを備えた専用ラウンジがあり、整う時間をゆっくり過ごせる

一 能登島

住所: 石川県七尾市能登島須曽町42-4
電話番号: 0767-85-2150 / 050-3690-8121
料金: 1泊 60,000円~
(1名1室、税・サービス料・ラウンジ・鮨饗所・ゲストルーム・サウナラウンジなどオールインクルーシブ、夕・朝食付き)

海辺の建築作品に泊まり美しいフレンチを味わう

広島県
SIMOSE ART GARDEN VILLAーシモセ アート ガーデン ヴィラ

「本日のお魚 萩漁港から」。広島近郊で育った肉や魚、有機野菜を使った料理は目にも楽しく、ワインとの相性も抜群だ

「本日のお魚 萩漁港から」。広島近郊で育った肉や魚、有機野菜を使った料理は目にも楽しく、ワインとの相性も抜群だ

2023年4月にオープンした、レストランとヴィラ、美術館が一体となった〝アート・オーベルジュ〞。久重シェフが腕を振るうフレンチは、動物性脂肪を抑えながらも、味や香りを重視。地元の幸を生かしたコースを堪能できる。ガラス張りのレストランからは、刻々と表情を変える瀬戸内海の景色を一望でき、絵画のように美しい一皿にさらに彩を添える。世界で活躍する建築家、坂 茂さんが設計した個性豊かなヴィラの客室は、広々としたテラスが開放的な空間だ。併設の下瀬美術館では2024年1月14日(日)まで「四谷シモンと金子國義―あどけない誘惑」展を開催中。その他、ピカソの版画やガレのガラス工芸など多彩な下瀬コレクションを鑑賞できる。

PROFILE

SIMOSE ART GARDEN VILLA シェフ 久重 浩さん
シェフ 久重 浩さん

辻調理師学校を卒業後、東京都白金台のフレンチレストラン「OZAWA」とゲストハウス「ザ・ハウス白金」で経験を積む。2009年から「OZAWA」広島店のシェフを務め、2022年より現職。

  • ヴィラ「キールステックの家」。瀬戸内海向きに大きく開かれ、心地良い風が吹き抜ける

    ヴィラ「キールステックの家」。瀬戸内海向きに大きく開かれ、心地良い風が吹き抜ける

  • 美術館の「望洋テラス」前には、昼は瀬戸内海の多島美、夜は工場夜景が広がる

    美術館の「望洋テラス」前には、昼は瀬戸内海の多島美、夜は工場夜景が広がる ©SHIMOSE

SIMOSE ART GARDEN VILLA

住所: 広島県大竹市晴海2-10-50
電話番号: 0120-907-090(9:00~18:00)
料金: 1泊 80,000円~
(2名1室1名、税・サービス料・客室内のドリンク・ラウンジでの飲食・美術館入館チケットなどオールインクルーシブ、夕・朝食付き)

※2023年12月5日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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