TOP MAGAZINE特集 ホームパーティー-幸せを呼び込むコミュニケーション-

ホームパーティー-幸せを呼び込むコミュニケーション-

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ホームパーティー-幸せを呼び込むコミュニケーション-

クリスマスを間近に控え、ホームパーティー市場が華やいでいる。
アフルエント読者へのホームパーティーに関するアンケートによると、3~4カ月に1回実施している方が22.2%、半年に1回が25.8%、年に1回が37.8%となって、意外に実施をしている方は少ない。
ケータリングや料理を工夫し、中にはふるさと納税で地方の特産物を持ち寄ったパーティーを実施したという方もいるが、やはり多忙な毎日を過ごす中で「自宅にゲストを招いてパーティー」という行為はハードルが高いのだろうか。
今回は専門家に登場いただき、もっと気軽にホームパーティーを楽しむ極意とノウハウ、ホームパーティーがもたらす効果や影響について考えてみた。

専門家が指南するホームパーティーを楽しむセオリーとノウハウ

高橋ひでつうさんはホームパーティー&ピクニック研究家。
2012年に日本ホームパーティー協会を設立。まさに業界を牽引するトップランナーは活況を呈するホームパーティーの今をどう見るのか、お話をうかがった。

おいしい、おしゃれはプロセスに過ぎないコミュニケーションがホームパーティーのゴール

 11月のある夜。指定された麻布十番のカフェに到着すると、帽子にメガネがトレードマーク、日本で一番ホームパーティーについて熟知している男・高橋ひでつうさんが待っていてくれた。

「僕は京都精華大学で教鞭を取った経験があるのですが、学生たちがよくたこ焼きパーティーに呼んでくれました。僕は生まれも育ちも東京なんですが、関西だとどんな家にもたこ焼き器があるんですね。たこ焼きをみんなで作って一緒に食べる、そういうパーティーはお金をかけていないけど、とっても楽しくて盛り上がる。逆に、どんなに豪華でお金をかけていても、楽しくないパーティーもあります。その差は何なのか、よいコミュニケーションが介在するか、しないかだと思うんです」

 そもそも日本人は自宅に人を呼ぶことに抵抗があり、昨今のマンションはセキュリティーも厳しい。ましてや隣りにどんな人物が住んでいるかを知ることもままならない。

「だったら、パーティーするんで騒がしくなります。よろしければご一緒にどうですかと、ワインの一本も置いていけば、隣の人と話すきっかけになります。それに、人を呼ぶのだから、おしゃれにしなければいけない、もてなさなきゃいけないと思うから失敗するんです。おしゃれやおいしいはプロセスに過ぎません。ホームパーティーのゴールはよいコミュニケーションに尽きると僕は思います」

 パーティー開催を躊躇する一番の原因は「準備や片付けが大変」ということに尽きるだろう。その課題に対してひでつうさんは言う。

「楽しむことが目的なんですから、レイアウトもデコレーションもゲストと一緒に考えて、片付けも手伝ってもらえばいいんです。高級なお寿司屋さんで最高のネタを味わうのももちろんいいですが、家族や仲間とワイワイ手巻き寿司を作って食べる方がどれだけおいしいか。楽しいかどうかというベクトルで常に考えるべきです。

 僕がホームパーティーをするときは、一番遠い人の終電の時間を聞いておいてその1時間前にお開きにします。そうすれば、みんな時間に余裕があるので、片付けを手伝ってくれますし、最後に全員がそろっているところで乾杯もできます。乾杯のテーマは息子さんがテストで良い点を取ったとか、ゲストが話してくれた身近なことで乾杯します。決してホストは主役じゃない。全員と話をしてコミュニケーションを図ることがホストの腕の見せどころなんです」
 ひでつうさんのセオリーは至ってシンプルで揺るぎない。

キーワードは3つ各種サービスを上手に使い、テーマを決めて非日常を楽しんでみる

 現在、ホームパーティー関連サービスは、有名店のケータリングから、出張シェフサービス、ソムリエ、演奏家、マジシャンの派遣、部屋の掃除やデコレーションサービスまで、多彩に展開されている。これらのサービスを上手に使うことでホームパーティーはより楽しくなるとひでつうさんは言う。

「よりオリジナリティーを出そうと思うなら、キーワードはポットラック、楽しく強制、ドレスコードの3つです。ポットラックはいわゆる持ち寄りパーティーのこと。一品持ち寄ることでホスト側が楽をすることもできるし、なによりコミュニケーションしやすくなります。

『田舎に帰っておいしい地酒を買ってきたから、この酒に合う食べ物を持って来て』で、いいんです。今日はフレンチカジュアルで、とか、スペインバルで、とかテーマ出しをすることで、参加をする人もいろいろ悩むことが楽しいと思います。どうしてこの品を持ってきたのかゲストが会話をするきっかけになりますし、どういうことに興味や関心を持つ人なのかその人間性もわかりますしね。

 たとえば、赤のモノ、白のモノを身に着けてきてくださいというドレスコードを設けたり、何かのルールを決めたり、〝楽しく強制〞をするのも参加意識を高めます。パーティーは非日常なのですから、ゲストは、ホストがどう盛り上がることを期待しているのか、ホストの気持ちになって参加すればいいだけです。

 海外ですと、受付でスマートフォンを預かってしまうデジタルデトックスや、グルテンフリー、マクロビパーティーなども流行っています。与えられた、限られた条件で、いかにおいしく、楽しく過ごせるかということがポイントになっていると思います」

お話を伺ったのは

一般社団法人日本ホームパーティー協会会長ホームパーティー研究家/ピクニック研究家

高橋ひでつうさん

ホームパーティー検定®の監修、各種ホームパーティー関連商品の開発やマーケティングを通し「ホームパーティーが生む楽しいコミュニケーション」を研究。メディア出演多数。東京都足立区育ち。元京都精華大学特任准教授

ホームパーティー検定®
テーブルコーディネートや空間装飾を学びたい、ホームパーティーの知識を教える仕事をしたいという方のため、スペシャリストを1 ~5段階のレベルで育成する資格。
URL:https://homepartykentei.com

人と人がつながり会話が生まれる幸せを呼び込むホームパーティーを

 アフルエント読者の60・7%が5〜10名のホームパーティーを実施しているという。毎回同じメンバーだと内容に面白味がなくなってしまうという悩みもあるようだが、招く人数や範囲に目安はあるのだろうか。

「家にある椅子の数の1・5倍くらいが目安では? 立っている人が何人かいる方が動きも出るし、席を譲り合ったりする中で会話も生まれます。範囲は友達の友達まで。人数の半分は常に新しい人に入れ替わるイメージです。『あなたより素敵な人』、『面白い人』を連れてきてと言ったこともありますし、あなたのパートナーを連れてきてとお願いしたこともあります。とてもユニークな人が集まり好評でした。

 ホームパーティーが廃れるという未来は僕には見えてこないです。人間はとても承認欲求の強い生き物ですから、認められないと死んでしまいます。老人ホームや介護施設でもホームパーティーが増えている傾向があるんです。相手を承認するから自分も認めてもらえ、そこに幸福感が生まれます。人と人がつながり、会話が生まれ、幸せを呼び込むためのコミュニケーションがホームパーティーなんです。ネットワークばかりが強調され、ソーシャル、つまり社会的な結びつきが薄くなっているSNSの時代。ホームパーティーはそんな時代だからこそ、不可欠なコミュニケーションだと僕は確信しています」

ホームパーティー関連サービスプロのサポートでより豊かに個性的に

有名店のケータリングから、シェフ・ソムリエ・芸人・演奏家の派遣、パーティーのまるごとコーディネートなどなど、多彩に展開されているホームパーティー関連サービス。
プロのサポートはパーティーのテーマをより際立たせることができるし、ホストのフィールドを無限に拡大してくれるはずだ。
さあ、ゲストの笑顔と豊かな会話を求めて、気軽に楽しくホームパーティーしよう。

自宅で一流寿司店の味と心意気を堪能する

 一流寿司店の職人が出張して自宅で料理を振舞ってくれる。そんな贅沢ができるのは一部のセレブリティーだけと思われがちだが、意外と利用経験者も多く、昨今は身近なサービスとして浸透しているようだ。

 「銀座久兵衛」は言わずと知れた寿司の名店だが、戦後から職人の出張ケータリングサービスを提供している。「敷居が高く来店しにくいというイメージを取り除きたい」という店主・今田洋輔さんの思いからだ。ネタや皿などケータリング一式を車で持ち込み、パーティーの開始時間になると2名の職人が目の前で寿司を握ってくれる。ホストの手間は会場のセッティングと飲み物の手配だけ。小さい子どもが多い集まりや外出がままならない家族がいる場合も、気兼ねなく自分たちのペースで一流の味を堪能することができる。外国人ゲストを招いたり、特別な演出が必要になるようなパーティーであれば、これ以上のサプライズはないのでは。

銀座久兵衛

出張ケータリングサービス

料理(1名16,200円で8名分)計129,600円から。サ料15%別、人件費(2時間、職人2名分)43,200円、出張費(車両、運搬、設営、撤収)43,200円、合計235,440円から 

お問い合せ:03-3571-652
月~土曜(祝日を除く)10:00 ~17:00

URL:http://www.kyubey.jp

味・色・香り、三拍子そろった自然派ケータリング

  今や多くの専門店が参入して活況を呈しているケータリングサービス。中でも、「MOMOE(モモエ)」のケータリングは味・色・香りにこだわり、とことん吟味された食材を使った手作りで、女性ゲストが多いパーティーでは一躍話題をさらいそうだ。料理研究家の稲垣晴代さんがスタートしたユニットで、野菜は自然栽培や有機栽培のものだけを使い、化学調味料も一切使わないという徹底ぶりだ。しかも木箱に入った状態で配送され、蓋を開けると彩りも形も美しい、まさにフォトジェニックな料理が登場するという仕掛けになっている。料理もおむすびも一口サイズに整えられ、立食でも食べやすいように考えられている。これならばパーティーの話題にも事欠かないし、女性ゲストからのウケは絶対だ。

MOMOEの料理からヒントをもらってパーティー料理が上達すれば、まさに一石二鳥のスグレモノサービスといえるだろう。

MOMOE

フード・ケータリング

1名あたり2,160円(おむすび2個と惣菜8品)、2,700円(2,160円のメニューにデザート、または惣菜2、3品をプラス)、3,240円(フィンガーフード3品、惣菜8品、おむすび2個、デザート)から、計16,200円から。
配送料として別途総額の10%、もしくは届け先によって配送会社手配のため実費。木箱は宅配便(着払い)にて要返却 
※配送エリアは都内、および東京近郊

お問い合せ:Webサイト専用フォームから

URL:http://momoegohan.com

住所:東京都目黒区目黒4-26-3

京都から四季折々の華やぎを届けてくれる

 お客様のもてなしに欠かせないお花。好みが合うアーティストと知り合いになっておけば、ここぞという時に強力な助っ人になってくれるはずだ。
「studio2065」は京都を中心に活躍するアーティスト・濱中依子さんが営むフラワーショップ。生花の販売はもちろんのこと、お店や企業のパーティーの空間装飾も数多く手がけ、その斬新でアーティスティックな作品が評判になっている。
「京都のお店ならではの、四季を感じるアレンジをしたいと思っています。BOXアレンジやブーケ、枝もの、なんでも手掛けますし、お客様のコンセプトに寄り添ったコーディネートをしていきたいと思っています」と濱中さん。最近はドライフラワーを使うもの、ドライフラワーで保存できるようなお花をというオーダーも多いという。雄弁でセンスのいいフラワーアレンジはパーティーの豊かなコミュニケーションのきっかけになるはずだ。

studio2065

フラワーアレンジ

フラワーアレンジ、ブーケなど、
首都圏への発送は5,400円から。送
料別

住所:京都市南区東九条明田町7 HOTEL ANTEROOM KYOTO 1階

お問い合せ:電話、またはWEBサイト専用フォームから 075-694-111
不定休

URL:http://www.studio2065.com

本物の音楽に触れ、楽しく心に残るパーティー体験を

 ユニークなシェアリングエコノミーサービスが注目されている。「LiveDeli」は㈱ムジカルが運営する日本最大級の出張演奏サービス。クラシック、ジャズ、和楽器の演奏家や歌手約150名が登録し、個人宅や商業施設、学校などへ生演奏を届けている。

「基本45分で料金は演奏家の人数にもよりますが2万円から5万円ほど。本物の音楽を聴けるだけでなく、楽器に触れたり、ミニレッスンをつけたり、要望に応じて気軽に体験型音楽会を開くことができます。
30種類以上から楽器を選べ、ワイン会や食事会などシーンに合わせた選曲も相談できるので、オーダーメイド感覚で利用できると好評です」と代表の大山幹也さん。

参加者の世代に合った曲やその楽器の良さを一番引き出せる曲も提案してくれるので驚きと感動が伝わる会が開催できそうだ。準備は演奏のスペースを空けておくだけでOK。“騒音にならない楽器”もアドバイスしてくれるのでマンションでも安心だ。

Live Deli

音楽体験マッチングサービス

演奏家1名あたりの出演料ランク別7,560円から。別途システム利用料(個人16.2%、法人27%)、交通費(東京23区内は無料、その他は基準駅から実費) 

お問い合せ:はWEBサイト専用フォームから 075-694-111
不定休

URL:https://www.livedeli.com

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※2024年1月5日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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