TOP MAGAZINE東京グルメバトン 松陰鶴水|松陰神社前

東京グルメバトン VOL.51

松陰鶴水|松陰神社前

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ふぐの厚引き 表面を軽く炙って厚めに引いたふぐは、余計な水分が抜けて旨みだけが凝縮されている。厚引きならではの弾力ある食感も堪らない。

「産直屋 たか」の小菅貴司さんからバトンを受け継いだのは世田谷区の割烹「松陰鶴水」の鶴水与作さん。温かな雰囲気で“旬の美味しいもの”を堪能させてくれる。

Words_TOMOMI KATO Photographs_KIYOSHI TSUZUKI

Profile

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鶴水 与作

1977年生まれ、福島県出身。テレビ番組で見た和食料理人の姿に憧れ、18歳から料理の世界に入る。和食を中心に修業を積み、都内のふぐ料理専門店、茶懐石店などを経て、料亭の料理長に。その後は店舗プロデュースにも携わり、2018年に松陰神社前駅からすぐの場所に、割烹「松陰鶴水」をオープンした。

松陰神社前駅から商店街を進むと、ほどなくして鶴の絵が描かれた赤い暖簾が見えてくる。店内に入ると、そこにあるのは7席ほどのカウンター。落ち着いた木の温もりとこぢんまりとした空間が心地良い。
店主の鶴水与作さんは、これまで和食一筋に腕を磨き、庭園付き料亭の料理長なども務めた。さまざまな経験を経て行き着いた料理は、一言で表すなら「シンプルな料理」だ。しかし、シンプルだからこそ、素材の味を活かしきるために十分な手間をかけなければいけないと鶴水さんはいう。
「料理で一番大切なのは、下処理だと思っています。魚の臭みをきちんと抜く、野菜のスジをきれいに取る。そうやって丁寧に手をかければ、素材の味がおのずと活きてきます。ただ蒸しただけの料理でも、とても美味しく仕上がるんですよ」
その言葉の背景には、食材選びへの徹底したこだわりがある。中でも魚介には力を入れ、松葉ガニやクエなど、一般にはあまり流通しない高級魚も揃える。毎年冬場にはふぐ料理を楽しみに足繁く通う客もいるそうだ。また、米は鶴水さんの親戚が会津で農薬を使わずに育てたものを、客一組ごとに土鍋で炊き上げている。店の2階には個室があり、お祝いの席に利用されることも多いという。
「ご家族などの大切な集まりに和食という日本の文化で華を添えて、さらに『美味しい!』と思っていただけたら、それ以上望むことはないですね」
客の好みや天候によっても献立を変えながら料理の流れを組み立てる。一品一品の上質な味わいに、細やかな配慮が垣間見える。食べ終えたとき、心の底からしみじみとした満足感に包まれるはずだ。

店主の鶴水さんの人柄もこの店の魅力のひとつ「。お客様にホッとしていただけるような料理を心がけています」

RESTAURANT INFO 店舗情報

  • 松陰鶴水 (しょういんつるみず/松陰神社前)

    住所: 世田谷区若林4-20-10▶︎MAP
    電話番号: 03-6874-3699
    営業時間: 18:00~
    休業日: 不定休
※2023年5月9日現在の記事です。詳細はお問い合わせください。

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